『20代で得た知見』

この期間を無駄にしないよう、避けて通ってきた本を読み始めました。避けていた理由としては、大人の言う「本を読めば世界が広がる」というのは頭が良くなるとか、将来的に有益な情報だとか、結局はそういうお堅いものでしょ、とつっぱねてきたからです。結果、文章を読むことが苦手で、一行読んで再び同じ行を読み返してしまいなかなか内容が進みません。つまらない、それなら今まで通り私の好きな表情やコマ割りから雰囲気を読み取るタイプの漫画を読む方が没頭できる。漫画の作者の文字から、そのページを作成した時の時間のなさや繊細さなどが垣間見えることにも面白みがあります。しかし、ある日Instagramで私がフォローしている女の子が「この本は好きです。20代の今読んでよかった」とストーリーで紹介した本に興味が湧きました。

『20代で得た知見』は今だいぶセラーになっているようで、自信が権化したような文章を読むのを好まない私が果たしてどこまで読めるのか、自身に対する挑戦でもありました。

30代に突入した男性が、20代で感じ、聞き、学んだ事を記した本でした。この作者は、なんというか、ほんのちょっと矛盾したことを言います。根っこから捻くれ腐っている私には非常に読み取りやすく、芯を突かれて恥ずかしくなる場面もありました。でも、これでいいんだ、この立場ならこう考えればより可能性が広がるんだと、まだ半分しか読んでいなくても溢れるほどの救いを頂きました。

諦めるなとは、耳が腐るほど言われてきました。いくら練習を重ね勝とうと、自分に自信が持てず、部活動現役時代なんか特に、言われれば言われるほどこなすことに専念するようになりました。数学も科学もExcelも好きではないですが、諦めようなどと思ったことはありません。ただ、私にはこれ以外のもので武器を作りたい。それでも逃げと捉えられる環境でした。

継続は力なり。こんな格言がありますが、まさにその通りだと思います。しかしこれは継続した道が自分に合っている人に限る、そんなことを作者のFさんは綴っています。様々なものに触れ、自分にあった道を探し当てるために合わないと思った道を閉ざすというのも1手段ということです。私はこれがやりたい。きっと労力時間金銭は掛かりますが、道を歩み始めた時の楽しさには代えられないと思うからです。

 

つまり何が言いたいかというと、最近進路について大変悩んでいる友人にこの本を贈りたいです。